ラオスの首都ビエンチャンの田んぼや空き地が ショッピングセンターに変わり始めた

2015年3月28日、ラオスの首都ビエンチャンに中国資本の巨大ショッピングセンター「ビエンチャンセンター」がオープン。ラオスは最近増えてきたものは、オシャレなカフェ、フットサルコート、街を走る車と自転車、しかし、バイクの数は感覚的に据え置き。

逆に減ったものでいうと、練乳を垂らして作る昔ながらのラオスコーヒー、日本でいうと餡蜜のようなデザート“ナムワーン”の店、都内の田んぼや空き地といったところ。懐かしさを覚えるものがどんどんと減ってきた。そして、その田んぼや空き地を埋めつつあるのが、建設ラッシュのショッピングセンターだ。

実はビエンチャンの「ショッピングセンター」の歴史は失敗から始まった。首都ビエンチャンにおける昨今の「ショッピングセンター」建設ラッシュは、2004年の「ショッピングセンター」建設計画にまで遡ることができる。ラオスが議長国となりビエンチャンでASEAN会議が行なわれた年だ。

当時の段階では初の大型国際会議ということで、まず問題になったのが、会議場と宿泊施設不足。それを解決するため、ホテル建設が激増、突貫工事は街の至る所で見られ、会議日の朝に窓ガラスをはめたという噂話も出た。


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それでもホテル不足は解消できず、メコン川を渡ったタイのノンカイに宿泊する職員もいたという。そんな中、鳴り物入りで出来上がったのが、漢字で「月の城」と訳された「ドンチャンパレス」ホテルだった。

 
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(中洲に建てられたドンチャンパレスホテル)
 

ドンチャンパレスは、マレーシア資本により、メコン川の中州に建てられたが、砂地を含む中州に高層建造物を建てると危ないという日本人的な感覚から、在留邦人たちには「倒れたらメコンに新しい橋が架かる」と揶揄された。しかし、その建物は2015年の現在も立派にそびえ立っている。


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ドンチャンパレスでホテルと共に計画されていたのが、ショッピングゾーン、レジデンスゾーン、ビジネスゾーン、そしてカジノゾーンである。しかし、資金不足で建設は進まず、現在もホテルのみが営業を続けている。経営陣はすでに中国資本に変わっている。こうした経緯が、ラオス人(及び在留外人)の「ショッピングセンター」に対する諦念の始まりだった。(海外投資の歩き方)